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\JA愛知厚生連の医師が解説/逆流性食道炎のおはなし

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\JA愛知厚生連の医師が解説/逆流性食道炎のおはなし

食事をすると、胸やけがしたり、胃酸が逆流してくるといった症状にお困りの方は「逆流性食道炎」かもしれません。

逆流性食道炎は、食道の筋肉が緩み、胃酸を含んだ胃の内容物が食道に逆流してきてしまう病気です。この病気を含む胃食道逆流症の方は、成人の5人に1人がかかっていると推定されており、中でも中高年、特に高齢者に多くみられます。

加齢や食生活・生活習慣の乱れが大きく影響する病気で、生活習慣の欧米化などに伴い患者数が増加しています。慢性的に食道の炎症が起こると食道がんのリスクも高まります。

今回は、この逆流性食道炎についてお話しします

01.逆流性食道炎の症状

食道の筋肉が、食べ物を飲み込む時以外に緩むと、食べ物や胃酸が食道へ逆流してしまいます。

食道は、強い酸から粘膜を守る粘液が少ないため、炎症が起こり逆流性食道炎になります。逆流性食道炎の初期症状は、胃もたれやお腹のハリといった症状が現れることが多いです。

喉まで胃酸が逆流すると、喉の違和感(痛み・声のかすれ)や長く続く咳症状が出たり、胸やけ・胸の痛み等の症状が出ることもあります。

02.逆流性食道炎の原因

逆流性食道炎は、食道裂孔ヘルニアや食べ過ぎ・高脂肪などの食生活、加齢による筋力低下、胃酸の量が増える、便秘などで腹圧が高まることなどが原因で発症します。

特に60歳以上の女性では頻度が高くなり、60歳以上の女性全体の約10%の人がこの病気を患っているといわれています。

食道裂孔ヘルニア

胃の一部が食道にせり出て食道の筋肉が動かない

食生活

食べ過ぎ・早食いや就寝前の食事などの食生活

腹圧

前かがみの姿勢・腹部を圧迫するような服装

加齢

食道の筋肉( 下部食道括約筋)の筋力低下

胃酸の増加

胃酸の分泌を促す高脂肪食やお酒・チョコレート等

喫煙

胃酸の分泌促進や食道の筋肉を緩め逆流を起こす

03.逆流性食道炎の診断と治療

通常は問診と内視鏡検査(胃カメラ)で食道の様子を調べ診断します。内視鏡検査で異常がなくても逆流性食道炎の方もいますので問診は非常に大切です。

診察時にはなるべく詳しく症状を医師へ伝えましょう。治療には、生活習慣の改善や胃酸の分泌を抑える薬を使います。

生活習慣の改善では、就寝前の食事を避けるなどの食生活や、体重の減量、禁煙、節酒などを行います。

逆流性食道炎の治療

食道粘膜の炎症が治まるまで、しっかりと薬を飲み続ける必要があります。
薬を飲み始めて症状が改善しても、自己判断でやめることのないようにしましょう。

生活習慣の改善

● 食生活の見直し 
● 禁煙・減酒
● 肥満の改善、運動不足の解消
● 規則正しい生活
特に食事内容は、胃酸の分泌を増加させるものや逆流を引き起こしやすいもの、食道粘膜を刺激するものは避けましょう。また、食事は食べ過ぎず、よく噛んでゆっくり食事をとり、食べてすぐに横にならないなどに気を付けましょう。

逆流性食道炎によって食道の粘膜が傷つき炎症を繰り返すと、びらん(ただれた状態)や潰瘍が発生し「バレット食道」に進行します。

バレット食道とは、扁平上皮で覆われている食道の粘膜が、円柱上皮の胃粘膜に置き換わっている状態です。

バレット食道の方は、食道がんのリスクが高くなります。そのため、逆流性食道炎の疑いがある方は早めに専門医を受診しましょう。

今月の監修ドクター
こちらの記事はJA愛知厚生連広報誌「With9月号」に掲載されています

病院基本情報  

足助病院

病 床 数/148床
診 療 科/全14科
場   所/愛知県豊田市岩神町仲田20
電話番号/0565-62-1211(代表)

受付時間/平日 8:00~11:30(婦人科のみ11:00まで)
※内科・小児科・整形外科・耳鼻咽喉科・眼科は午後診あり。
 診療科ごとに異なりますので、ホームページまたは電話にてお問い合わせください。

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