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注意が必要な薬と食品の飲み合わせ

健康のこと

注意が必要な薬と食品の飲み合わせ

薬と食品には、飲み合わせ・食べ合わせが悪いものがあり、薬の作用を弱めてしまったり、反対に薬の効果を強めて副作用を起こしてしまったりすることがあります。

【注意1】高血圧のお薬(カルシウム拮抗薬)+グレープフルーツ

グレープフルーツの果肉に含まれる「フラノクマリン類」という成分が薬の分解を阻害して、薬が効きすぎてしまいます。具体的には、血圧が下がりすぎてしまったり、頭痛やめまいなどの症状が起ったりすることがあります。果実だけでなく、グレープフルーツジュース※でも影響があるのでジュースでの飲用も控えなければいけません。最も多い例では「カルシウム拮抗薬」という種類の血圧降下薬で注意が必要です。

※グレープフルーツジュースコップ1杯(約200㎖)でも相互作用が起こることがあります。フラノクマリンによる代謝阻害は3~4日続くため、薬の服用中は摂取を避けてください。

注意が必要な他の柑橘類

フラノクマリンは、グレープフルーツの他にもダイダイ、はっさく、夏みかん、ブンタンなどの柑橘類に多く含まれているので避ける必要があります。一方、温州みかん、レモン、カボス、バレンシアガオレンジなどはフラノクマリンをほとんど含まないため、相互作用の心配は少ないと考えられます。

【注意2】ワルファリン(抗凝固剤)+納豆、クロレラ、青汁などビタミンKを多く含むもの

ワルファリンはビタミンKの働きを抑えることで血液を固まりにくくするお薬で、いわゆる”血液をサラサラにする薬”です。そのためビタミンKを多く含む納豆、クロレラ、青汁などを摂取すると、薬の効果を弱めてしまい、血液凝固が起こりやすくなります。

ビタミンK を多く含む青汁

緑黄色野菜や海藻類にもビタミンKは多く含まれますが、通常の食事で摂る量であれば問題ありません。納豆と同じようなネバネバの食べ物でもオクラ、山芋、なめこなどは食べても大丈夫です。

注意が必要な他の血液サラサラの薬

ワルファリンの他にも血液をサラサラにする薬はありますが、これらは薬の効き方が異なるため納豆などを食べても問題ありません。

【注意3】抗生物質+ミネラルを含むもの

牛乳やミネラルウォーターなどのミネラル(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄など)を多く含むものと一部の抗生物質を一緒に服用すると、薬の成分がミネラルと結合して消化管で吸収されにくくなってしまい、効果が弱まることがあります。

牛乳を飲みたい場合は、基本的に薬を飲む時間と2時間以上時間を空ければ問題ありません。

今回は代表的な例を紹介していますが、上記にも飲み合わせに注意が必要な食品と薬、また薬同士でも飲み合わせがよくないものもあるので、疑問や心配なことがありましたら、薬剤師へ相談しましょう。

知多厚生病院「知ったより」2021年10月号より再掲

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診療科/全25科

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※一部専門外来と午後の診療は予約診療のみの対応となります。詳しくは当院ホームページ診療担当医表をご参照ください。

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