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\治療は時間との勝負!/ 脳卒中のお話

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\治療は時間との勝負!/ 脳卒中のお話

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今月のテーマは「脳」

私たちは、脳からの指令で歩いたり、手を動かしたりしています。他にも見たり聞いたり話したり、さらには考えたり判断したりと脳は高度な作業を行っています。脳の病気で一番多いのが脳卒中です。脳卒中は、がん・心臓病に次ぐ日本人の死亡原因第4位の疾患で、非常に多くの患者さんがいます。今回は、この脳卒中についてお話しします。

脳卒中とは?

脳卒中は動脈瘤が破れ脳の表面に出血が広がる「クモ膜下出血」、脳の血管が切れる「脳出血」、脳の血管が詰まる「脳梗塞」に分けられます。脳卒中の症状はさまざまですが、共通している特徴は、突然生じることです。脳卒中の治療は時間との勝負なので、右記の危険信号にあるような症状が出たら、迷わず救急車を呼びましょう。

脳卒中の危険信号

  • 経験したことのない激しい頭痛がする
  • 急なめまい(貧血・耳の持病なし)
  • 手足がしびれる
  • ろれつが回らない
  • 物が二重に見える、視野が欠ける
  • まっすぐに歩けない、うまく歩けない
  • まっすぐな線が描けない
  • 箸がうまく使えなくなった 等

頻度の高い「脳梗塞」の治療

脳卒中の中で最も頻度が高い脳梗塞の治療について解説します。詰まった血管を再び開通させる治療として、薬による「血栓溶解療法」が普及してきました。この薬の使用には発症から4時間半という時間的な制約があるため、早期に治療を開始する必要があります。これに加えてカテーテルという細い管を使って血栓を取り除く「血栓回収療法」が行われるようになりました。この治療により、これまでよりも多くの患者さんを救うことができるようになってきました。これらの治療はうまくいけば症状は劇的に改善します。しかし、治療効果は発症からの時間に大きく関係する上、治療対象となる脳梗塞の種類も限られているため、脳卒中を予防することが重要です。

脳卒中の予防と地域の取り組み

残念ながら壊れた脳は再生しませんので、脳卒中になると手や足が動かない、言葉が出ないといった様々な障害と付き合いながら暮らすことになります。また、脳卒中は寝たきりの原因第2位でもありますので、私たちの健康寿命(元気で生活できる期間)を短くしてしまう大きな要因となっています。そのため、脳卒中のリスクとなる生活習慣を見直し、脳卒中予防に取り組みましょう。
また、私たち脳神経外科医は、少しでも多くの方に適切な治療ができるよう、発症(救急搬送)から初期治療に至るまでを迅速に行えるよう、地域ごとに仕組みを構築する取り組みを行っています。

With厚生連情報 2月号に掲載

渥美病院

病 床 数/316床

診 療 科/全18科

場   所/愛知県田原市神戸町赤石1番地1

電話番号/0531(22)2131(代表)

受付時間/8:00~11:30
※午後の診療時間は担当医スケジュールをご参照ください。

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