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\50歳以上の男性はチェックをおすすめします!/前立腺肥大症のお話

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\50歳以上の男性はチェックをおすすめします!/前立腺肥大症のお話

今月のテーマは「前立腺」

前立腺は男性にだけある臓器です。膀脱の出口のすぐ下に位置し、尿道のまわりを取り囲んでいます。前立腺に多い疾患は、主に前立腺肥大症と前立腺がんです。それぞれ異なる疾患ですが、同時に発症することもあります。両方とも50歳以上の男性に多い疾患で、前立腺肥大症は泌尿器疾患で特に患者数が多い病気です。
今回は、前立腺肥大症についてお話しします。

前立腺肥大症とは?

前立腺の中の尿道を取り巻く部分が肥大して、さまざまな排尿の症状を引き起こす病気です。尿道が圧迫され膀脱内に尿が溜まることで膀脱結石や尿路感染症、尿道の閉塞によって腎臓に負担がかかり腎不全(尿毒症)などの合併症を引き起こします。

前立腺が肥大

さまざまな合併症が起こる

  • 膀胱結石
  • 尿路感染症
  • 腎不全

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症はさまざまな症状が現れます。

①排尿症状…尿が出にくい、尿の勢いが弱い、尿をするのにお腹に力を入れる

②蓄尿症状…尿が近い、夜間排尿のため起きる、尿が漏れる

③排尿後症状…残尿感がある、排尿後下着をつけてから尿が漏れる

前立腺肥大症の原因と危険因子

前立腺が肥大する原因ははっきりとわかっていませんが、男性ホルモン(テストステロン)などの性ホルモン環境の変化が関与すると言われています。
明らかな危険因子は加齢ですが、その他にも遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などがあげられます。

前立腺肥大症の診断と治療

●問診

・自覚症状やその程度から重症度を判定します。

検査

・尿検査(尿の内容物を調べる)
・尿流量検査(排尿時の尿の勢いなどを測定する)
・残尿量検査(排尿直後の残尿量を調べる)
・前立腺超音波検査(前立腺の大きさを調べる)
・直腸診(医師が直腸越しに前立腺に触れチェックする)
などの検査を実施します。
前立腺肥大症以外の病気が疑われる場合は、前立腺がんや腎機能の検査も行います。

治療の流れ

治療は主に尿道の閉塞を和らげる飲み薬を用います。
症状に応じて前立腺の緊張を緩めて尿を通りやすくする薬や、前立腺を小さくする作用の薬を使用します。
薬物治療をある程度継続しても効果が不十分な場合や、合併症がある場合は手術を行います。
手術は、尿道から内視鏡を入れて肥大した前立腺を切除する手術が広く行われていますが、体への負担が少ない手術方法も普及しています。
当院では水蒸気治療(WAVE)も施行可能です。前立腺肥大は加齢とともに起こるので50歳以上の男性は「前立腺」のチェックをおすすめします。
また、「1日10回以上トイレに行く」「夜間トイレで2回以上起きる」などの症状のある方は医療機関を受診しましょう。

本記事は「With厚生連情報11月号」に掲載されています。

足助病院


住所:愛知県豊田市岩神町仲田20
電話番号:0565-62-1211(代表)
診療科:全13科
受付時間:平日8:00~11:30(婦人科のみ11:00まで)
     平日13:00~16:30
診察の有無は診療科ごとで、午前・午後及び曜日により異なります。ホームページまたは電話にてお問い合わせください。

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