医療・健康・介護情報をわかりやすく発信

With Magazine

今月のテーマは「尿」\夜間頻尿や尿失禁にお悩みの方へ/おしっこと生活習慣病

\教えて/ドクター!

今月のテーマは「尿」\夜間頻尿や尿失禁にお悩みの方へ/おしっこと生活習慣病

  • 排尿トラブル
  • 生活習慣病

今月のテーマは「尿」

尿(おしっこ)は、腎臓でつくられます。腎臓でつくられた尿は、尿管を通り膀胱で一時的に貯められます。膀胱に溜められら尿は尿道を通り体の外に排出されます。この「腎臓」「尿管」「膀胱」「尿道」を総称して「泌尿器」といいます。泌尿器科疾患は幅広くありますが、今回は人になかなか言えない頻尿や尿失禁などの排尿トラブルのお話をご紹介します。

知っておきたい排尿トラブル

「尿が近い、尿が漏れる」などの排尿トラブルは日々の生活に大きく影響します。恥ずかしくて受診をためらっている方もいるかもしれません。排尿トラブルは大きな病気が隠れていることもあるので、早めに専門医を受診しましょう。

  • 頻尿…1日に8回以上トイレに行く症状のことをいいます。
  • 多尿…尿量が多すぎること。多飲だけでなく糖尿病・腎不全などが原因となります。
  • 尿失禁…自分の意思とは関係なく尿が漏れること。お腹に力が入った時に起きる腹圧性尿失禁や我慢できずに出てしまう切迫性尿失禁などがあります。
  • 夜間頻尿…夜間に1回以上、排尿で起きる症状。1日の尿量が多くなる場合と夜間のみ尿の量が多くなる「夜間多尿」が原因となる場合があります。睡眠障害やうつ病なども原因になることがあります。
  • 過活動膀胱…夜トイレに起きる夜間頻尿や急な尿意が伴う尿意切迫感や尿失禁などの症状がある病気です。加齢や様々な病気が原因でなることがあります。

排尿トラブルと生活習慣病

生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。加齢とともに現れる排尿症状の背景には生活習慣病が関与していることも多く、泌尿器科的疾患の治療のみならず、生活習慣病に対する生活指導や行動療法なども含めた治療を行うことが重要です。特に夜間頻尿は生活の質(QOL:Quality Of Life)を低下させる泌尿器科的症状の代表です。夜間頻尿、特に夜間に作られる尿量が多くなる夜間多尿の原因は主に内科的疾患が関与していることが多いのです。

高血圧

血管を収縮させるカテコラミンというホルモンが多く分泌され、日中は腎臓への血流が悪くなり尿量が減ります。その代わりに夜間の心臓負荷が増大して夜間多尿になります。基礎疾患の治療はもちろん、食事における減塩、肥満予防のための適度な運動習慣などが大切です。

心不全

日中は筋肉などの活動している部分に血流がいきわたり、夜になってようやく腎臓に血流がまわるため、夜間に作られる尿量が多くなります。心機能が低下している方だけでなく、いびきがひどい人(睡眠時無呼吸症候群)も就寝中の心臓負荷が増大して夜間多尿になりえます。いびきに対する治療を行うだけで夜間頻尿が改善するという論文報告もあります。

糖尿病

高血糖によってのどが渇き、水分を過剰摂取することで頻尿・多尿となります。また、神経障害の進行で末梢神経が障害を受けると、頻尿だけでなく排尿障害をきたす可能性もあります。食事指導や運動療法、内服加療による血糖コントロールが重要となります。

本記事は「With厚生連情報12月号」に掲載されています。

足助病院


住所:愛知県豊田市岩神町仲田20
電話番号:0565-62-1211(代表)
診療科:全13科
受付時間:平日8:00~11:30(婦人科のみ11:00まで)
     平日13:00~16:30
診察の有無は診療科ごとで、午前・午後及び曜日により異なります。ホームページまたは電話にてお問い合わせください。

JA愛知厚生連 SNS

SNSで皆さんの生活に役立つ
医療・健康情報をお届けしています。

  • Instagram
  • facebook
  • LINE 公式アカウント