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\JA愛知厚生連の医師が解説/喘息のおはなし

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\JA愛知厚生連の医師が解説/喘息のおはなし

  • 予防
  • 治療

喘息とは、正式には「気管支喘息」のことで、気道に慢性的な炎症が生じる病気です。咳、痰、息苦しさ、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音)などの症状が発作的に現れます。喘息にはさまざまな原因がありますが、風邪から引き起こされる場合もあります。アレルギー体質の方は、そうでない方と比べ喘息になる方が多いです。喘息(気管支喘息)の年間死亡者数は約1,000人で、一度かかると治すことが難しい病気です。近年は、小児よりも成人の患者が多くなりました。喘息の前段階の「咳喘息」できちんと治療を行うことで、本格的な「気管支喘息」への移行を防ぐことができます。
今回は、この喘息についてお話しします。

01.喘息(ぜんそく)の特徴

喘息(気管支喘息)は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起きて、気道が狭くなりさまざまな発作が起こる病気です。気道の粘膜が常に炎症しているので、少しの刺激で発作が起こり、咳込んだり、呼吸困難、喘鳴などの症状を引き起こします。喘息になる原因は、風邪などの呼吸器感染症、たばこ、ダニやペット・花粉などのアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)、気圧や気温の変化など刺激を受けたときに起こります。特に、夜~朝、季節の変わり目に起こりやすいです。

喘息の原因

  • 呼吸器感染(風邪・インフルエンザなど)
  • たばこ
  • 気圧、気温の変化(冷房・季節の変わり目など)
  • アレルゲン(ダニ・ペット・花粉など)

02.咳喘息(せきぜんそく)と喘息の診断

風邪をひいたあとに咳のみの症状が2~3週間続く場合は、「咳喘息」の可能性があります。「咳喘息」は、喘息のような呼吸困難・喘鳴などの症状はありません。「咳喘息」は自然に治る場合もありますが、約30%が喘息(気管支喘息)に移行するため、早期に治療を開始することが重要です。喘息かどうかを調べる検査は、問診とアレルギー体質かを調べる検査(血液検査等)や気道の狭さや炎症を調べる検査(呼吸機能検査・喀痰検査等)などを組み合わせて診断を行っていきます。

03.喘息(ぜんそく)の治療法

喘息の症状は、個人差があり、軽度から重症までさまざまな症状が出ます。喘息は自然に治ることはなく、早期に治療を開始し長期にわたりコントロールすることが重要です。治療は、気道の炎症を鎮める吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの薬を毎日使用します。重症度によって薬の量や組み合わせは異なります。また、喘息の発作時は即効性のある発作治療薬を使用し、速やかに発作を鎮めます。

治療の流れ

長期管理薬(発作がないとき)

発作が出ないように管理

  • 気道の炎症を鎮める薬
  • 気管支を拡げる薬

吸入薬・飲み薬・貼り薬など

発作治療薬(発作があるとき)

発作を速やかに鎮める

  • 発作を鎮める薬
  • 気管支を拡げる薬

吸入薬・点滴など

重症度によって薬の量・組み合わせは異なります。

喘息(ぜんそく)発症後の生活

喘息の症状を抑えるためには、薬の使用や、ハウスダスト・花粉などを除去するためのこまめな清掃、そしてたばこの煙を吸わないようにし、刺激をできるだけ避けるようにしましょう。喘息発作は生活にも支障をきたし、長期にわたり治療が必要となるため、ご自身やご家族で喘息のような症状で悩まれている方がいれば、かかりつけ医またはお近くの呼吸器内科にご相談ください。

今月の監修ドクター
こちらの記事はJA愛知厚生連広報誌「With3月号」に掲載されています。

病院基本情報  

江南厚生病院

病 床 数/630床
診 療 科/全36科
場   所/愛知県江南市高屋町大松原137番地
電話番号/0587-51-3333(代表)

受付時間/

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