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\JA愛知厚生連の医師が解説/膠原病のおはなし

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\JA愛知厚生連の医師が解説/膠原病のおはなし

朝起きた時の体の痛み、こわばりや原因不明の微熱が長引いているといった症状がある方は、膠原病の初期症状かもしれません。

膠原病とは、免疫機能の異常等が大きく関係し血管や皮膚、筋肉、関節、内臓など全身の結合組織に炎症が起こる病気の総称で、ひとつの病気を差しているわけではありません。
代表的な「関節リウマチ」は日本で80万人ほどの患者がいると言われています。

若い女性に多い「全身性エリテマトーデス」、全身のさまざまな臓器に炎症が起こる「シェーグレン症候群」など膠原病にはさまざまな病気があります。どの病気も専門医による早期発見・早期治療が重要です。

今回は、この膠原病についてお話しします。

01.膠原病の症状

膠原病と分類される病気は、20種類以上あり、共通して3つの特徴(リウマチ性疾患・自己免疫疾患・結合組織疾患)があります。一つひとつの症例数が少なく、現れる症状や部位もさまざまです。

初期症状では、全身の関節症状や手の腫れや痛み・指の白色変化(レイノー現象)・原因不明の発熱・皮膚症状などが多く見られ、病気の進行に伴い全身にさまざまな症状・病変を起こします。

膠原病の主な病気

膠原病は20種類以上の疾患があります。

● 関節リウマチ(主に関節、全身)

● 全身性エリテマトーデス(全身)

● シェーグレン症候群(唾液腺・涙腺)

● 血管炎症候群(副鼻腔・腎臓・肺)

● ベーチェット病(口・眼・皮膚などの全身)

● 多発性筋炎および皮膚炎(筋肉・皮膚)

● 全身性硬皮症/強皮症(皮膚)

● 皮膚筋炎(皮膚)

● 強直性脊髄炎(脊髄)

● 過敏性血管炎(血管)

● 混合性結合組織病(2つ以上の膠原病)

※( )は主に症状が出る部位

膠原病の3つの特徴

リウマチ性疾患

関節や筋肉に痛みが出る

自己免疫疾患

自己免疫が関連する

結合組織疾患

体の結合組織に異常がでる

膠原病の主な症状

疾患の種類が多いだけでなく、現れる症状や部位もさまざまで、個人差が大きい病気です。

全身症状

原因不明の発熱、倦怠感(疲れやすい)、食欲不振、体重減少など

眼の症状

● 乾燥
● 充血
● 眼痛など

頭・顔の症状

● 脱毛
● 蝶型紅斑
● 光線過敏など

神経の症状

● けいれん
● 認知障害
● 頭痛など

血液の症状

● 白血球の減少
● 血小板の減少
● 貧血など

口の症状

● 口腔潰瘍
● げっぷ
● 嚥下障害など

呼吸器の症状

● 呼吸困難
● 喀痰など

心臓の症状

● 胸の痛み
● 動悸・息切れ
● 不整脈など

消化器の症状

● 下痢
● 便秘
● 腹痛など

腎臓の症状

● 足や顔のむくみ
● 腎不全
● 腎炎など

筋肉・関節の症状

● 筋肉痛
● 関節痛など

手指の症状

● 手の腫れ
● 手のこわばり
● レイノー現象(指の白色変化)

さまざまな部位で症状が現れます。

02.膠原病の原因

膠原病の原因は、はっきりと解明されていない部分もありますが、免疫の異常により全身のさまざまな部位で炎症が起きると言われています。

通常、免疫細胞は「抗体」を作って体内に侵入した病原菌やがん細胞などの異常な細胞から体を守ります。

免疫の異常が起こると、免疫が正常に機能しなくなり、自分自身の正常な細胞や組織を異物と誤って認識し、攻撃するようになります。

03.膠原病の診断と治療

膠原病は症状が複雑なため、問診・触診や血液検査、必要に応じて画像検査、尿検査、生検などさまざまな検査から診断を行う必要があります。

膠原病の治療の多くは、炎症と免疫を強力に抑えるステロイドや免疫抑制剤・生物学的製剤が用いられます。膠原病が進行すると、体のさまざまな部位で症状が出たり合併症が出現します。

早期に診断・治療を開始することと、症状が一次的に落ち着いてもメンテナンス治療を継続的に行うことが大切です。

膠原病の治療の例

関節リウマチ

約80万人が治療している関節リウマチ。

関節が炎症し、痛み・変形が生じます。炎症が悪化すると骨や軟骨が破壊されます。30~50歳代の女性に多く発症する病気です。

治療

免疫抑制剤やステロイドを使用します。効果がない場合は生物学的製剤なども使用します。関節の変形が進んだ場合は手術を行う場合もあります。

全身性エリテマトーデス

約7万人が治療している全身性エリテマトーデス。

関節炎や発熱、指先が白くなる「レイノー減少」や顔に赤い蝶のような形の斑点が現れる「蝶形紅斑」など、全身のさまざまな部位に症状が現れ、長期にわたる治療が必要です。20~40歳代の女性に多く発症する病気です。

治療

症状が多岐に渡るので、症状に併せてステロイド(飲み薬・点滴)や免疫抑制剤等を使用します。腎不全となった方には透析療法、血行障害の強い方では血管拡張薬などの個々の症状に併せた治療を行います。

2015年に「難病法」が改正され、「特定疾患(難病)」から「指定難病」と名称が変わり対象疾患も58疾患から304疾患に増加しました。

現在、膠原病とその関連疾患の多くが厚生労働省によって「指定難病」に指定されており、公費補助対象疾患となっています。

指定難病となっている膠原病の疾患

● 全身性エリテマトーデス
● 強皮症(全身性硬化症)
● 多発性筋炎および皮膚炎
● 混合性結合組織病
● シェーグレン症候群
● 結節性多発動脈炎
● 高安動脈炎(大動脈炎症候群)
● 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
● 顕微鏡的多発血管炎
● 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
● IgA血管炎
● リウマチ性多発筋痛症
● 抗リン脂質抗体症候群
● 悪性関節リウマチ
● 再発性多発軟骨炎
● ベーチェット病
● 成人Still病
● 乾癬性関節炎
● 強直性脊椎炎
● IgG4関連疾患

今月の監修ドクター
こちらの記事はJA愛知厚生連広報誌「With10月号」に掲載されています。

病院基本情報  

安城更生病院

病 床 数/771床
診 療 科/全40科
場   所/愛知県安城市安城町東広畔28番地
電話番号/0566-75-2111(代表)

受付時間/予約のない方 8:00~11:00
     予約のある方 8:00~16:30

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