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「奇跡の花」のリレー<br>「 アイリンブループロジェクト」

注目コラム

「奇跡の花」のリレー
「 アイリンブループロジェクト」

今年もアイリンブループロジェクトの奇跡の花「あいりちゃん®」が咲きました。

海南病院は、2015年2月から被災地に咲いた「奇跡の花」を全国に広げる「アイリンブループロジェクト」に協力しています。

震災のあった2011年3月11日、宮城県石巻市の沿岸部で佐藤愛梨ちゃん(当時6歳)ら園児5人らが乗った送迎バスが津波に襲われました。数年後、現場に真っ白なフランスギクが咲きました。「この花の種を各地で育てて、命の大切さを世界に広めたい」と現地の人たちによって「アイリンブループロジェクト」がスタートしました。

震災当時、被災地で医療支援をした山本病院長(現 名誉院長)は「機会があれば支援を続けたい」と考え、プロジェクトの一環で映画を作る話を知り個人的に寄付をしました。これをきっかけにアイリンブループロジェクト事務局から「宮城県外の各県にも活動を広げたい」と相談を受け、交流がスタートしました。

2017年3月、現地から取り寄せた種で育てた苗を病院屋上庭園に植え、同年4月には弥富市と共催で防災フォーラムを開催しました。さらに海部津島地域の自治体や地元ライオンズクラブなどの協力で同年秋から学校や自治体など50か所以上に苗を植えました。このプロジェクトは2021年3月時点で15都道府県70か所に広がりました。

2017年12月に行った病院出入口花壇植栽時の様子
2019年3月大治南小学校で講演する山本病院長(現名誉院長)

海抜ゼロメートル地帯が広がる海部津島地域一帯は、1959年(昭和34年)9月26日に発生した伊勢湾台風で甚大な被害を受けました。海南病院は現在、地域中核災害拠点病院に指定されており、災害発生時に医療が継続できる体制を整備し災害発生時は24時間体制で緊急対応を行います。近年は南海トラフ地震への対策に力を入れています。

山本名誉院長は「伊勢湾台風によって防災意識は高い地域だが、次世代に天災の恐ろしさを、伝えていく必要がある。学校などで子どもが『奇跡の花』を植えるプロジェクトを通して、命の大切さや自分の身は自分で守る防災意識を高めてほしい」という想いから活動を続けています。

伊勢湾台風では病院が壊滅的な被害を受けました(愛知県厚生連三十年史より)
巡回診療・患者移送は舟で行われました(愛知県厚生連三十年史より)

震災から10年の節目となる、2021年3月下旬には「石巻南浜津波復興祈念公園」が開園しました。プロジェクトでは、この公園の花壇に各地で育てられたフランスギク1,000輪が植えられました。

2023年4月には、仙台市で開催された「第40回全国都市緑化仙台フェア”未来の杜せんだい2023”」に参加するため弥富造園の佐藤様のご協力を得て、海南病院の花壇から株分けした「あいりちゃん®」を仙台市の会場にお送りしています。

2023年4月、海南病院の玄関にある花壇の前にて(左:海南病院山本名誉院長、右:弥富造園の佐藤様)

今年も「あいりちゃん®」は、海南病院の正面玄関に花壇に綺麗に咲きました。(5月上旬が見頃です)海南病院にお越しになる方はぜひお立ち寄りください。

正面玄関に咲く「あいりちゃん®」
屋上庭園に咲く「あいりちゃん®」
石巻南浜津波復興祈念公園の花壇にある「あいりちゃん®」(2024年6月頃の様子)

本プロジェクトは、中日新聞の取材をうけ2021年1月12日の尾張版に掲載されました。

「あいりちゃん®」の開花情報は海南病院Instagramで発信しています。

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