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\40~60歳代の発症が多い/乳がんのお話

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\40~60歳代の発症が多い/乳がんのお話

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今月のテーマは「乳がん」

乳がんは女性の9人に1人がかかり、女性の全てのがんの中で罹患数は第1位、死亡数は第4位のがんです。現在乳がんの罹患率、死亡率は横ばい傾向となっています。

毎年10月は世界的な乳がん啓発月間です。乳がんで悲しむ人をひとりでも減らしていくためにピンクリボン運動が全世界的に展開されています。

今号は、乳がんについてお話しします。

乳がんの症状は?

乳がんの症状は、しこりがもっとも多く、他に血性の乳頭分泌や乳頭の陥没、乳房のひきつれなどがあります。なお、乳房の痛みは主に女性ホルモンのバランスが悪くて起こることがほとんどです。

発生部位は乳頭から見て外側上部が一番多いとされていますが、乳腺があるところならどこにでもできます。

しこりが大きくなるスピード

触知できるしこりの大きさは1㎝程度からで、1㎝の大きさになるのに7年以上かかるといわれています。しかし、中には増殖スピードの速いものもあるので、一概にはいえません。

COLUMN 

なぜ乳がんは増えているの?

乳がんの発生にはエストロゲンという女性ホルモンが関与しています。生活習慣の変化※によって乳腺がエストロゲンにさらされる期間が長くなったことが関係しているのではないかといわれています。


初経年齢が低い、閉経年齢が高い、出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がないなどが乳がんを発生するリスクを高めると考えられています。

乳がんが疑われる場合

超音波検査やマンモグラフィなどの画像診断で良性か悪性かはっきりわからない場合や乳がんが疑われる場合は、乳房に細い針を刺して細胞を採取する「細胞診」や局所麻酔下でやや太い針を刺して行う「組織診」で診断します。

乳がんの治療

乳がんの治療には、手術(外科治療)・放射線治療・薬物療法があります。治療の流れや順番は、がんの進行や患者さんの症状によって異なります。治療できるステージ(病期)では手術を行い、手術後の病理診断によって術後の治療計画を検討します。がんを小さくする目的で手術前に薬物療法を行ったり、再発や転移を防ぐ目的で術後に薬物療法や放射線治療を行う場合もあります。

乳がんは治る病気?

乳がんの5年生存率は92.3%、10年生存率が79.3%となっており、ほかのがんに比べると予後は比較的良好です。ただし、ステージⅣ(遠隔転移がある病期)の5年生存率は30%台と低くなります。早く発見して治療をすれば、治ることが十分に期待できる病気です。

乳房は胃や大腸、肺などとは異なり、自分で見たり触ったりすることのできる場所ですので、普段の乳房の状態を知り今までにない変化を見つけたときは早めに受診しましょう。また、定期的に乳がん検診を受けて、異常が指摘された場合にはすぐに受診しましょう。

(監修)
知多厚生病院 乳腺外科 保里 惠一医師、川瀬 麻衣医師

本記事は、「With厚生連情報10月号 教えてドクター」に掲載されています。

知多厚生病院広報誌「知ったより」もぜひご覧ください。

病院基本情報

住所/愛知県知多郡美浜町大字河和字西谷81-6

電話番号/0569-82-0395(代表)

診療科/全25科

受付時間/予約のない方:平日8:15~11:40

※一部専門外来と午後の診療は予約診療のみの対応となります。詳しくは当院ホームページ診療担当医表をご参照ください。

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