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臨床工学技士が教える「AEDの使い方」あなたはいざという時使えますか?

医療のこと

臨床工学技士が教える「AEDの使い方」あなたはいざという時使えますか?

皆さん、AED(自動体外式除細動器)は知っていますか?近年、病院はもちろん学校・公園・デパートなどに設置され、皆さんに一番身近な救命機器です。

AEDは何をするための医療機器?

心臓は血液を体全体に送り出すポンプ機能を担っています。このポンプ機能が止まってしまうと体内の酸素量が減り、苦しくなり倒れてしまいます。通常、心臓は血液を送り出すために一定のリズムで動いていますが、心臓が細かく震える「心室細動」というけいれんを起こしてしまうと、心臓が全身に血液をうまく送り出せなくなってしまい大変危険な状態となります。

AEDはこの「けいれん」を取り除くための医療機器です。一瞬だけ高電流を流し、電気ショックを与えることにより、心臓を正常なリズムに戻します。

どうやって使うの?

基本的な流れは次の通りです。

  1. ふたを開ける
  2. 電源オン
  3. パッド装着
  4. 電気ショック

AEDのふたを開けて電源を入れます。音声ガイドに従って図の通りに電極パッドを装着します。電極パッドには成人用と小児用の2種類があります。(1種類だけでスイッチで切り替えるもの、成人用のみ用意されているものなどメーカーによって異なることがあります。)ここで注意していただきたいのが、「小児用」は「未就学児」を意味しているということです。蘇生ガイドライン2020の中で「小児用→未就学児用」、「成人用→小学生~大人用」と呼称が変更されましたが、当面表記が混在していますのでご注意ください。

AEDは、電極パッドを身体に貼り付けると自動に心電図を読み取ります。AEDは心電図の波形を解析し、除細動が必要かどうかを判断してくれます。電気ショックが必要な場合は「電気ショックが必要です」と音声ガイドが流れるので、傷病者に触れている人がいないことを確認してショックボタンを押します。心臓が正常な状態や完全に動きが止まっている場合は適応外と判断され「電気ショックは不要です」と音声ガイダンスが流れます。

こんなことに注意してください

電気ショックの際には高電流が電極パッドを通して流れるため、AEDを使用する人や周囲の人は傷病者に触れていると感電する恐れがあります。使用する前にAEDの音声ガイドで「離れてください」と案内があるため傷病者に触れているものがないことを必ず確認してください。

AEDの電源を入れると、流れる音声ガイドに従って操作をすれば良いので、医療従事者以外の方でも簡単に使用できます。ただ、AEDを使用することだけが救急蘇生法ではありません。胸骨圧迫や人工呼吸などの知識も必要です。機会があれば、市民向けの講習に参加するのもおススメです。すぐに講習を受けられないという方は「救急蘇生法の指針2020(市民用)」をご覧ください。ページ数は多いですが、誰にでも分かりやすく救急蘇生法が示されています。

救急蘇生法の指針2020(市民用)

http://qqzaidan.jp/wp/wp-content/uploads/doc-shishin/shishin2020_shimin_hp.pdf

AEDは赤色やオレンジ色の目立つ外観です。使用する場面には滅多に出会わないと思いますが、設置されている場所を知っておくことが重要なので、散歩や買い物のついでに宝探しのような感覚で探してみましょう!

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