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「歯周病~静かなる疾患~」

健康のこと

「歯周病~静かなる疾患~」

  • セルフケア

「静かなる疾患」、歯周病はそう呼ばれています。自覚症状がほとんどないままじわじわと全身に影響を及ぼすのがその名の由来です。歯周病の原因、それは「プラーク(歯垢)」と呼ばれる細菌の塊です。

プラークを放置すると歯肉を攻撃し始め、発赤、腫脹、出血の炎症症状が出現します。これが歯周病の始まりです。この状態を更に放置すると毒性物質が歯肉の血管から全身に行き渡り、狭心症・脳梗塞・糖尿病、はたまた早産・低体重出産などの原因になることもあります。

歯周病予防には 、セルフケア(自分で毎日行うケア)とプロフェッショナルケア(かかりつけ歯科医院で 行ってもらうケア)の両方を継続して行う事が大切です。

今回はセルフケアで使用するケア用品の選び方・使用方法についてお伝えします。

必需品  歯ブラシ/歯磨き剤

歯ブラシ

小さなお子さん
  • 商品に記載された適応年齢を参考にする
永久歯が生えそろってきたら
  • ヘッドサイズ ・・・・・自分の下前歯3本分
  • 硬さ・・・・・・・・・ふつう~やわらかめ
  • 毛先・・・・・・・・・平らなもの

歯磨き剤

虫歯予防にフッ素配合のものを使用しましょう。

補助用品① デンタルフロス・歯問ブラシ

歯ブラシでは届かない歯の側面や歯間に入り込んだ食べかすをきれいに取り除きます。

歯間プラークの除去率

  • 歯ブラシのみ      61%
  • フロス併用       79%
  • フロス・歯間ブラシ併用 85%

補助用品② 舌ブラシ・マウスウォッシュ

舌ブラシ

舌専用のブラシを使用する。

注意!歯ブラシでブラッシングすると?
  • 硬い歯ブラシが舌を傷つけてしまいます。
  • 歯ブラシについた歯周病菌を擦り付けてしまいます。

洗口剤(マウスウォッシュ)

  1. ケアの最後に使用する。
  2. 使用直後の飲食は菌が繁殖しやすいのでNG
  3. 必要な常在菌を殺してしまうので使い過ぎに注意

セルフケアのポイント

・歯ブラシはペンを持つように握り、小刻みに振動させ1か所につき10~20回くらい磨きます。

・1日に1度は5分以上かけて、ゆっくり隅々の歯垢を取り除きましょう。寝る前に行うと効果的です。

セルフケアは正しい方法で継続することが重要です。家族や友人と 自分の歯でおいしく食事を楽しみ、身体と心の健康を保つために今日から始めましょう!

江南厚生病院「なごみ」2022年4月号より再掲

執筆者プロフィール

水谷晴美 江南厚生病院 歯科口腔外科 歯科衛生士

愛知県生まれ。リラックス方法は愛犬・はなちゃんと遊ぶこと。

 

6/4~6/10は、歯と口の健康週間です。

皆さん、ご家族と一緒に歯と口の健康について話し合ってみましょう!

病院基本情報  江南厚生病院

住所:愛知県江南市高屋町大松原137番地

電話番号:0587-51-3333(代表)

病床数:684床

診療科:全35科

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