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今月のテーマは「胃」 <br>胃がんの発生リスク『ピロリ菌について』

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今月のテーマは「胃」
胃がんの発生リスク『ピロリ菌について』

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今月のテーマは「胃」

今回は、皆さんがよく耳にすると思われる「ピロリ菌」についてのお話です。ピロリ菌は胃粘膜に生息している細菌で、日本では全人口のおよそ半数の6,000万人が感染しているといわれています。

感染経路は不明ですが、水や食べ物を介して口から入り感染すると考えられています。成人になって感染することはまれで免疫力の低い5歳以下の幼少期に感染することがわかっています。

戦前戦後の衛生状態の悪い時代に幼少期を過ごした高齢者ほど感染率は高く、環境の整った現代では若者の感染率は低下しています。

ピロリ菌と関連のある病気

ピロリ菌が胃の中に住み続けると慢性炎症が続き、やがてほぼ100%の人に慢性胃炎を発症します。この胃炎に暴飲暴食やアルコール多飲、ストレスなど様々な要因が重なると、胃・十二指腸潰瘍や胃がんが発生することがわかってきました。

その他の病気としては、胃過形成性ポリープ、胃MALTリンパ腫、突発性血小板減少性紫斑病などです。

ピロリ菌の検査

ピロリ菌に感染しているかどうかは、健診時などでの胃カメラによる胃の細胞採取、特殊な薬剤を使った呼気検査、血液、尿、糞便などで調べることができます。このうち一つの検査
を受けて、さらに内視鏡検査を行って診断します。

また、健診などで、血清ペプシノゲン(PG)測定が行われることがあります。これは胃粘膜の炎症状態を反映するもので、ピロリ菌による胃炎の補助診断が可能となります。

ピロリ菌の治療

胃酸分泌を抑える薬と2種類の抗生物質を一週間内服する除菌治療が行われます。下痢や口内炎、味覚異常が副作用としてでることがあります。また、除菌率の低下を防ぐため、治療中は禁煙、禁酒が望ましいです。

除菌判定

内服治療終了から6~8週間後に再度検査を行い、ピロリ菌が除菌できたかを判定します。約90%の方で除菌が成功しますが、不成功の場合は抗生物質を変更して二次除菌治療を行います。二次除菌では約98%の方で治療が成功します。

除菌後

一度除菌をすると再感染の心配はまずないと考えられています。しかし、除菌に成功したからといって病気にならない訳ではありません。健やかに過ごせるよう、除菌後も年に一回は胃の状態を確認しましょう。

With厚生連情報 7月号

渥美病院

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診 療 科/全18科

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電話番号/0531(22)2131(代表)

受付時間/8:00~11:30
※午後の診療時間は担当医スケジュールをご参照ください。

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