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今月のテーマは「肺」 高齢者の身近な病気 誤嚥性肺炎のおはなし

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今月のテーマは「肺」 高齢者の身近な病気 誤嚥性肺炎のおはなし

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今月のテーマは「肺」

誤嚥性肺炎は日本における死因の第6位で、実は身近な病気です。入院となる高齢者の肺炎ではその多くが誤嚥性肺炎です。

「誤嚥」とは、食べ物や唾液などが声帯を超えて気管内に入ることです。健康な人でも誤嚥することはありますが、咳をすることで気管内への進入を回避しています。ところが、高齢者は嚥下能力が低下して誤嚥しやすい上に、それを回避する咳反射も低下しているので、自覚のないまま誤嚥を繰り返し、誤嚥性肺炎となってしまいます。


誤嚥性肺炎のことを知って高齢者の誤嚥性肺炎を予防しましょう。

嚥下のしくみ

嚥下は、食べ物のかたまりを口から胃へと運ぶ一連の動作のことです。
嚥下はのどの周りの筋肉によって行われ、複数の神経で調節されています。神経調節には、食べ物が通過すると反射的に気道を閉じ、食道を開く働きをスムーズに行う「サブスタンスP」という物質が必要になります。
「サブスタンスP」は脳内で「ドパミン」から作られますが、「ドパミン」は加齢、脳梗塞後遺症やパーキンソン関連疾患で減少します。「サブスタンスP」と「ドパミン」の減少は、嚥下反射や咳反射の低下につながります。

誤嚥性肺炎になりやすい人

  1. 高齢者
  2. 脳梗塞の後遺症のある人
  3. パーキンソン病などの神経疾患のある人

症状

誤嚥性肺炎には次のような典型的な症状があります。

  • 発熱(高齢者の場合、発熱しない場合あり)
  • 激しい咳と膿性痰(黄色い痰)が出る
  • 呼吸が苦しい
  • むせる


高齢者では、典型的な症状が乏しいことが多いのが特徴です。また、睡眠中に無意識のうちに気管や肺へ唾液が流れ込む「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」が原因となっていることがあります。

診断

上記の症状から誤嚥性肺炎が疑われる場合は、次の検査を行います。

  • 問診…日常生活状況を確認
  • 胸部レントゲン・胸部CT撮影…肺炎像を確認
  • 血液検査…炎症反応(CRP上昇、白血球増加など)を確認


炎症反応の上昇や胸部レントゲン・胸部CT写真で肺炎像があることで診断されます。

稲沢厚生病院は2021年11月に新しいCT装置を導入しました。

誤嚥性肺炎の治療

薬物療法:抗菌薬投与を行います。

ただし、誤嚥性肺炎を繰り返し、頻回に抗菌薬を使用すると耐性菌が出現しやすくなります。病状が長期化すると体力が奪われ治療は難しくなります。

嚥下機能の評価や嚥下機能に合わせた食事の選択・嚥下リハビリ・口腔ケアなどを行い、再発防止や予防が重要になります。

口腔ケアや食事の工夫、リハビリなど日常生活でできることに取り組んでいきましょう。

家庭でできる誤嚥性肺炎予防の記事は下記をご覧ください。

ドクタープロフィール

稲沢厚生病院 内科 克容(しきもり かつよし) 医師

愛知県名古屋市出身
2012年名古屋市立大学卒業
公立陶生病院、名古屋市立大学病院を経て、2016年より稲沢厚生病院で勤務

どんな病気でも予防が一番です!病気に対する理解を深めて、ご自身やご家族で予防に努めましょう。

With厚生連情報6月号「教えてドクター」

稲沢厚生病院

住所/愛知県稲沢市祖父江町本甲拾町野7番地
電話番号/0587-97-2131(代表)
診療科/
全20科
受付時間/
8:00~11:30
※午後の受付時間診療担当医表をご参照ください。

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