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中日新聞LINKED Another Story #08「面会制限中でもリハビリの意欲を高めるために。」

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中日新聞LINKED Another Story #08「面会制限中でもリハビリの意欲を高めるために。」

  • 新型コロナウイルス

中日新聞LINKED「新型コロナウイルスとの闘い JA愛知厚生連8病院 820日の軌跡」の取材を通じて、誌面ではお伝えしきれなかった職員の想いをもう一つの物語「Another Story」としてご紹介します。

第8回は「理学療法士」の物語です。

稲沢厚生病院 リハビリテーション室長:小塚 康之(以下 小塚)
インタビュアー: Project LINKED事務局(以下 LINKED)

取材日:令和3年12月24日

LINKED:新型コロナウイルスの感染拡大が始まって2年が過ぎようとしていますが、リハビリテーションの現場で感じられた変化について教えてください。

小塚:外来では病院での感染リスクを心配され、受診を控える方がみえたので、患者数が減少しました。当院には小児の発達外来がありますが、お母さん方は特に心配されて、予約をキャンセルしたり、来院自体を敬遠する方もみえました。

LINKED:高齢の患者さんには変化はありましたか?

小塚:入院患者さんやご家族には感染防止のために面会制限をお願いしています。患者さんの中には、ご家族と会えないことで精神的に落ち込む方が多くいらっしゃいます。リハビリは「患者さん本人の意欲」が大切になりますので、進み具合に大きな影響が出ています。それでも何とか意欲を出して前向きになっていただきたいので、リハビリのスタッフ全員で患者さんへの声がけを大事にしています。 

LINKED:実際にどんなことをお声がけされるんですか?

小塚:リハビリ室には外を眺められるところがありますので、立てる方は立っていただいて、一緒に横に並びながら、天気の話から始まり、心配に思っていること、家に帰りたいかどうか、どうしたら家に帰れるかなどを話し、患者さんの希望からリハビリへの意欲につなげるようにしています。中には、ご家族に会えない怒りをぶつけてこられる方もみえますが、患者さんの様子を見て押したり引いたりしながら対応しています。無理に励ましても受け入れられない時もありますので、患者さんが受け入れられる精神的な状況を見ながら、お声がけする内容を変えています。

LINKED:ご家族からのメッセージを患者さんに伝えるような機会はあったのでしょうか?

小塚:私も総合案内でご家族からの荷物の受け渡しをお手伝いしているのですが、着替えの中に手紙や写真を入れていただいている方もみえました。「必ず伝えてください」というご家族からの伝言もありました。患者さんもご家族も全く会うことができず不安に感じていらっしゃる中で、手紙や写真があると本当に喜んでいらっしゃいました。特にペットの写真を見るとすごく元気になられて、ご家族の写真以上に良い反応になる方もいらっしゃいました。

LINKED:逆にご家族に入院中の患者さんの様子を伝えることはあるのでしょうか?

小塚:入院から一定期間が過ぎると、患者さんの様子をご家族に見学していただいて、退院後の生活を見据えたお話しをさせていただく機会があります。「今、このぐらいのレベルですので、お家に帰るにはこんな用意をしてください」といったお話をするのですが、まずはご家族に現状を把握していただくためにリハビリの様子を見学していただいています。本当にわずかな時間ですが、ご家族と会われると患者さんの表情が生き生きとしてきますので、ご家族の力は偉大だと思いながら見ています。

LINKED:リハビリテーションは患者さんと密着してサポートされるわけですが、コロナ禍において特に気をつけたことはありますか?

小塚:手洗い、手指消毒などはコロナ以前から変わらず実施していますが、マスクとフェイスシールドを必ず着用しています。もし患者さんに感染があった場合でも濃厚接触者にならないように、マスクとフェイスシールドの着用は徹底しています。患者さんにもマスクの着用をご協力いただいています。そうした努力もあって、院内感染は一切出ていません。

LINKED:その他に感染対策としてやってこられたことはありますか?

小塚:リハビリは全病棟へ回って実施しているので、感染のピーク時には担当制を敷いていました。医師からの要望もあり、感染を広げないためにも各スタッフがどこの病棟へ行ったかという行動履歴を把握していました。それから、外来患者さんと入院患者さんが接触することがないよう時間帯や場所で分けるといった取り組みも行いました。

LINKED:コロナから回復された患者さんへのリハビリテーションも実施されているのでしょうか?

小塚:当院にはコロナ専用病棟がありますので、回復された患者さんのリハビリテーションを実施しています。コロナ病棟には退室基準があり、発症から10日経過し症状が軽快してから72時間経過した方が退室可能となり、その後隔離室で1週間程度過ごされます。その時点からリハビリが始まりますので、ある程度病状が落ち着いた方が対象となります。

LINKED:どのようなご苦労がありましたか?

小塚:病状の落ち着いた方が多いのですが、中には気管切開された方が数名みえました。ベッドから起き上がって活動するのに酸素飽和度の値が不十分だったり、頻脈や呼吸困難感がある中で、訓練量をどのように設定するかが難しかったです。患者さんもマスクを着用しながら訓練をしているので、負荷が大きくなって全身状態を悪くしないように気をつけながらやっています。また、リハビリを実施していく中でコロナの患者さんは回復が遅いという印象がありますので、その辺りを改善していくことが課題だと思っています。

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