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中日新聞LINKED Another Story #07「マスクなどが不足、そのとき、地域の皆さまが…。」

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中日新聞LINKED Another Story #07「マスクなどが不足、そのとき、地域の皆さまが…。」

  • 新型コロナウイルス

中日新聞LINKED「新型コロナウイルスとの闘い JA愛知厚生連8病院 820日の軌跡」の取材を通じて、誌面ではお伝えしきれなかった職員の想いをもう一つの物語「Another Story」としてご紹介します。

第7回は「薬剤師」の物語です。

豊田厚生病院 薬剤部 供給室長:久保田 敏行(以下 久保田)
インタビュアー:Project LINKED(以下 LINKED)

取材日:令和4年1月13日

LINKED:供給室というのはどのような部署になるのでしょうか?

久保田:病院が使用する消毒薬などの医薬品、医療材料の調達、発注、在庫管理、払出などを行っています。コロナに関連するところで分かりやすくいうと、病院内の各部署にマスクやガウンなどの個人防護具を必要な時に必要な量だけ届けています。院内SPD(医療材料物流管理)と呼ばれる部署で、私を含めて5名体制で管理しています。

LINKED:コロナ禍において、特に初動期にマスクや防護具が全国的に不足ということがありましたが、こちらの病院ではいかがでしたか? 

久保田:初動期というと第1波の2020年3月頃だと思いますが、その時、私は安城更生病院に勤務していました。安城更生病院では供給室勤務でなかったため、直接対応することはありませんでしたが、第1波の真っ只中の2020年4月に豊田厚生病院に転勤となり、供給室の業務を担当することになりました。SPD業務の経験がない中、第1波で個人防護具が一番不足している時期だったので、スタッフや業者の方の顔も分からない状況で本当に困ってしまいました。最初に直面したのはマスクの不足でしたが、地元の住民の皆様や企業からたくさんの寄付をいただきました。一番困っている時に支援していただいて、本当に感謝しています。当院は第二種感染症指定病院に指定されていますので、厚生労働省などからの支援もあり、何とか在庫を切らさずに乗り切ることができました。その他にも、患者さんが手作りのフェイスシールドを届けてくださったこともありました。本当にありがたく使わせていただきました。

LINKED:苦労されたことを教えてください。

久保田:先ほどお話したように2020年4月に赴任して、病院スタッフと信頼関係を築く間もなく活動がスタートしたことです。赴任して2日目に感染対策担当の副院長から、個人防護具の在庫状況を把握するようにと指示を受け、当日の使用量と在庫を把握できる一覧表を作成し、院内で共有できるようにしました。これを2年近く毎日続けています。

LINKED:在庫状況をリアルタイムで把握できるようにしたということですね。

久保田:副院長も相当心配されていたのだと思います。実際のところ私も不安でしたが、使用量や在庫を管理していると「あと何日分」というのが分かるので、それを元に確保しなければならない量を把握し、業者の方に代替品がないか情報収集をしていました。特にマスクは当院が採用しているものはすぐに入らなくなりました。日本にはマスクの規格がないので品質の低いものも出回っていましたが、あまりに薄くて感染対策にならないものを採用するわけにはいきません。サンプルをもらえない状況でしたので、業者の方によく説明を聞いて選定していました。

LINKED:現在も不足の状態が続いているのでしょうか?

久保田:個人防護具関連に関しては、だいぶ落ち着いてきました。供給量はだいぶ増えています。不足していた時期は個人防護具の種類によって異なっており、最初はマスク、その次はガウン、少し前は手袋が不足していました。ものによって、足りなくなった時期がずれているのですが、今はもう、ほとんど大丈夫です。現在、オミクロン株が流行しており、病院でクラスターが起こってしまうと通常の医療もできなくなってしまうので、個人防護具をしっかり確保し、職員に個人防護具を正しく使用してもらわないと、という思いはありますね。

LINKED:今後、第6波が来たとしても、個人防護具の供給を切らすようなことがあってはならないということですね。

久保田:それはプレッシャーに感じています。個人防護具がないと医療を継続できないですからね。

LINKED:久保田さんはICT(感染制御チーム)と連携されることもあるのでしょうか?

久保田:ICTのメンバーではありませんが、ICTとの情報共有は行っています。個人防護具の供給管理については、ICTとは別に、院内の新型コロナウイルス対策委員会で協議していました。現在は供給が安定してきているので厳密にはやっていませんが、当時は多職種で構成される対策委員会で各部署の状況を確認しながら、病院全体の方向性を決定していました。会議には病院長も参加され、スピード感をもって進めていました。

LINKED:今後、強化していきたいことはありますか?

久保田:早く情報を入手して、早く手を打てるようにして行きたいです。先ほどもお話したように、種類によって不足する時期がずれることもあるので、早く情報を得ることで対処しやすくなります。情報収集については、厚生連8病院で共有することもありますが、業者の方にどういう状況か詳しく聞くことが重要です。コミュニケーションを円滑にすることで、上手に状況を聞き出して、医療材料の供給が止まることがないよう対処していきたいと思います。

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