| 関節リウマチ:
関節リウマチは比較的頻度の高い疾患であり、日本人の有病率は約
0.5 〜 1 %と考えられています。いろいろな関節に痛みや腫れが出現し、長期間経過すると関節の変形をきたします。これは関節や腱に存在する滑膜というものが炎症をおこし、骨を溶かしてしまうからです。骨が大きく変形してしまうと、病気が治まった後も元の形に戻ることはほぼありませんので、一生変形が残ってしまうということになります。
以前は良い治療がなかったため、関節リウマチになってしまったら、骨の変形を止める治療はほとんどありませんでした。しかし現在はメソトレキサートなどの内服薬や、生物学的製剤と呼ばれるインフリキシマブ(商品名レミケード)、エタネルセプト(商品名エンブレル)、アダリムマブ(商品名ヒュミラ)による抗
TNF α療法、トシリズマブ(商品名アクテムラ)による抗 IL-6 療法、アバタセプト(商品名 オレンシア)による抗
T 細胞療法が使用可能となり、症状が楽になるばかりではなく、骨の変形を止めることができるようになってきました。
現在の関節リウマチの治療目標は、症状を楽にするだけではなく、関節の腫れや痛みを取り除き、将来的な骨の破壊を止めることです。そのために、外来では関節の腫れや痛みの診察を行い、採血やレントゲンで副作用や治療方針を確認していきます。アメ
リカやヨーロッパのリウマチ学会からは、寛解(病気が治まっている状態)基準として、 Boolean基準というものが提唱され、@
腫脹関節数 1箇所以下(決められた28関節で評価)、A疼痛関節数1箇所以下(決められた28関節で評価)、B患者さん本人の病状評価が、1以下(最大10.0としたときの、現在の病状)、CCRP値 1.0mg/dl以下の4項目を満たすことと決められました。またすべての患者さんで病気が寛解もしくは低活動性になることを目標として、治療を変更することとされています。当院でもできる限りの方が寛解状態となるように、治療を行っております。
全身性エリテマトーデスおよびその他の膠原病疾患:
膠原病は皮膚、心臓、肺、肝臓、腎臓、関節など様々な全身の臓器に病気が出現しうる病気です。病気ごとに、どこの臓器に障害が起きやすいかが分かれますが、どの病気についても全身の検査が必要であり、定期的に血液検査、尿検査、レントゲン、
CT、超音波検査などを行い、診療に当たっております。
治療については、ステロイド剤といわれる副腎皮質ホルモンによる治療が行われることが多いですが、最近ではステロイド剤の副作用が懸念され、早期から免疫抑制剤を使用することが増えてきました。免疫抑制剤は何種類もあり、シクロホスファミド(商品名エンドキサン)、アザチオプリン(商品名イムラン)、シクロスポリン(商品名ネオーラル、サンディミュン)、タクロリムス(商品名プログラフ)、ミゾリビン(商品名ブレディニン)が主力です。これらの薬剤は、各疾患や病気のある臓器、肺や腎臓、肝臓などの合併症の状態によって、選択される薬剤が変わります。またこれらの免疫抑制剤を複数使用したり、関節リウマチと同様に生物学的製剤と呼ばれる薬剤を用いることもあります。免疫を抑える力が強いため、自分の免疫が自分の体を壊すことは少なくなりますが、その分ばい菌やウイルスなど、本来免疫が倒すべき相手も倒さなくなるため、感染症にかかりやすくなります。こうした合併症の管理も含め、膠原病内科で総合的に診察することにより、複数の科を受診することによる主治医間の意思疎通不足を解消することができます。
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