院長あいさつ

 渥美病院は田原市における唯一の総合病院であり、渥美半島の地域医療における当院の役割は重要であり、地域住民のみなさまからの期待もまた大きいものと認識しております。農業を中心に各種産業がバランスよく発展している田原市の現在の繁栄は、これらの産業を支えてこられたみなさまのご努力の賜物であると思います。一方で、住民のみなさまが安心して生活していただくためには、医療・福祉の充実は不可欠です。
 当院の歴史をさかのぼると、昭和10年に当時の住民の出資により開設された保障責任利用組合渥美病院に端を発します。51床にて開院し、戦争などの紆余曲折を経て、昭和23年にJA愛知厚生連の病院となり、現在の病床は316床となっています。平成12年の現地への新築移転を機に健康管理センターを充実させ、介護・福祉複合施設「あつみの郷」とともに、住民のみなさまに医療・介護・福祉・保健といった幅広い医療サービスを提供できる体勢が整いました。これらの事業は、愛知県厚生連だけでなく、市民の健康・福祉の充実を重要課題としている田原市、JAの絶大な支援により成し遂げられたものです。
 現在の医療情勢は、新卒後臨床研修の義務化や病院診療機能の選択と集中などの施策により、医師の都市部大病院への指向が助長され、そのあおりを受けて郡部の中小規模の病院では深刻な医師不足に陥っています。さらに、最近の診療報酬改定も中小規模の病院経営には追い風とならず、最新の医療機器導入等、必要な設備投資のための資金確保に苦慮しています。その結果、急性期医療を担う中小規模病院においては職員の負担増による労働条件の悪化や患者さまが受ける医療サービスの低下が強く懸念されています。当院においても研修医、常勤医師や看護師等の人材確保に難渋しており、救急対応だけでなく複数の診療科において外来・入院診療の一部を制限せざるをえない状況が続いています。
 地域のみなさまにはご不便をおかけしておりますが、「地域医療を守る」ことが当院の使命であります。住民のみなさまが安心して医療を受けられるよう、関係各方面に対して理解と協力を要請しつつ、より良い病院へと発展するために職員一同、努力してまいりますので、みなさまの温かいご支援をお願い申し上げます。

病院長  長谷 智